僕たちに見えている世界の影は、あまりに曖昧で、どれだけ目を凝らしても明瞭な印象には程遠く、命を預けるにはいくぶん心もとない。
そのようなぼんやりとしたイメージであっても、僕たちは求めずにはいられない。そこに真実の残滓が少しでも含まれているのだとしたら。
僕、尾部竜児(おべりゅうじ)が見つけた小さな宝物たち。それらは本物の価値には程遠いかもしれない。それでもそれが、なにか大切なものの欠片であったなら…。
This is Obéryuji's cave for selling vague pieces of virtue.